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今日は、本のご紹介。
認知症世界の歩き方 筧 裕介 , 樋口直美他著
少し前にブームになりましたこちらの本。
よりよく生きるための終活講座 season5を主催している私ですが、
企画当初は
「とりあえずうちの子どもたちのことどうする!」
「それから子育て終わった後どうする⁈」
っていう意識だけで、正直老化で認知機能が衰えるっていうことは、まったく重要視しておらずでした。
カリキュラムを考えるにあたって、相方のガッキーが、「実際死ぬまではどうなるかわからないよ」と諸々指摘してくれて、必要な準備をあれこれ教えてくれたんです。
そうこうしているうちに、うちの母がちょっとずつ記憶に自信を失くしだし、「忘れるのが怖い」と泣いていたそうで、それなら周りの家族も支えられるように知識を仕入れようか、となり、父や妹、別居の弟もそれぞれ読んでみることにしたのがこの本です。
この本は、認知症の人がどんな世界を生きているのかを、まるで旅行ガイドのように「体験型」で教えてくれます。
たとえば、「時間がバラバラの国」では、過去と現在の区別があいまいになる様子を、
「音が飛び交う国」では、周りの音が混ざり合ってしまう感覚を、物語を通して追体験できます。
読んでみて思ったのは、
認知症というのは、「記憶がなくなる」だけじゃなくて、「世界の感じ方が変わる」ということ。
うちの母が「忘れるのが怖い」と言うのも、ただ単に物忘れが増えることだけやなくて、「自分のいる世界が違って見えてしまう不安」とか、「取り残されてしまう不安」があるのかも?と気づかされました。
この本を家族みんなで読んでみて、母の気持ちに少しでも寄り添えたらと思いますし、
何より「認知症の人の世界を具体的に想像できること」が、周りの大きな一歩になる気がします。
そんなわけで、もし家族や身近な人に認知症と向き合う人がいるなら、ぜひこの本を読んでみてほしいなと思っています。
NHKではアニメーションや取材による認知症の方の見え方、感じ方をまとめた短い番組集がありましたので、よかったらそちらも参考にしてみてください。
『認知症とともに、幸せに生きる未来をつくるきっかけになれば』と著者もおっしゃってます。
ラジオ、聴いてくださいね!
過去放送分も配信しています。